鹿児島鍼灸療院での治療例、臨床編



運動器疾患の 2、



1、膝関節炎 、 2、手、足のしびれ、   3、腱鞘炎(手) 

4、交通事故によるむち打ち及び打撲、捻挫


運動器疾患の治療で腰痛と共に多いのが膝関節炎である。
現在は膝の関節が変形してくると、病院では人工関節を入れる
手術が多く行われているが、これも完全ではなく
日常生活に支障が起こることが多いようだ。
その点鍼灸治療では、痛みや腫れが取れてくる。
日常生活も普通に出来ることが多い。



1、膝関節炎


先ず、膝関節炎では大きく分けて二つのパターンがある。

一つ目は、膝の関節が腫れて、水がたまるタイプ、
二つ目は、膝の関節が鶴の足の関節と同じように膝の部分が
腫れて、足首の方へは筋肉が痩せている感じのものがある。
同じ膝の関節炎でもパターンが違うと治療法も違ってくる。


それでは、水が溜まる膝関節炎の治療

【症例1】


患者55歳、3か月前より時々膝が痛くなり
病院でマッサージと電気治療を受けて少し痛みが取れていた。
1か月前に、急に膝が腫れて水が溜まり、水を取ってもらったが
また、水が溜まり同じことの繰り返しなので当院へ来院した。

仕事は、調理の仕事のパートである、一日中立って仕事をする。
最近は少し太り気味。


◆、治療、
膝は少し腫れて、水も少し溜まっている、また少し熱もある。
胃腸も少し弱い。

脈はやや沈み、少し硬い感じである。
まず、手足のツボ、脾経、心包経のツボを補う。次に胃経を軽く瀉法する。
これで、脈が少し落ち着く、
後は膝の熱が取れるようにはり、知熱灸で処置する。
その後、肩及び腰から下肢にかけて処置して終わる。


2回目、翌日来院。
膝の痛みが少し楽である、腫れも少し減る。
治療は同じ。


3回から5回目一日おきに来院、。
痛みは楽である。腫れが無くなる。
治療は陽経の胃経の治療は触らなかった。
その後週に2回、1か月治療して良くなる。

膝の腫れる関節炎でも治療することで良くなります。



次に、水が溜まらない変形しやすい膝関節炎の治療

【症例 2】


患者70歳、数年前より時々膝が痛く、
病院でマッサージと電気治療を受けているが、良かったり悪かったりを繰り返す。
病院では膝の手術をしたほうが良いと進められているが、
鍼灸で何とかなればと治療に来る。


◆、治療、
先ず、患者の膝を診ると、少しくの字に変形している、
内側が少し腫れて、熱が有る。水は溜まっていない。
仕事はしていないが家庭菜園を良くする。

脈はやや浮いていて中は少し硬い。
まず、足のツボ、肝経、腎経のツボを補う。
これで、脈が少し硬さが取れる。

後は、膝の内側の熱が取れるようにはり、知熱灸で処置する。
その後、肩及び腰から下肢にかけて処置して終わる。


2回目翌日来院。
内側の熱が少し取れる、痛みも少し良い。

3回から5回目、一日おきに来院。
内側の熱がだいぶ取れる、痛みもだいぶ良い
変形も少し改善されて足が伸びてくる。


その後週に2回の治療を2か月行う、痛み、熱は良くなる。
変形は完全ではないが、だいぶ改善されてきた。
少し膝の変形の、くの字が良くなり伸びた感じである。

その後1,2週に1回治療を行っている。経過は良い。

同じ膝関節炎でも症状の違いにより治療方法も違います。
また、膝の変形も、
変形の程度にもよりますが、改善します。


2、手、足のしびれ

手足のしびれの原因は色々とあります、
脳の病気より来る場合、
首の骨の変形により神経が障害を受けて起こる場合、
糖尿病などのように内臓疾患より来る場合など様々です。

鍼灸院に来院される多くの患者さんの手足のしびれは、
骨の変形に伴い神経、血管、筋肉などが圧迫を受けて
起こる、しびれの症状が多いようです。


それでは、手のしびれの治療

【症例1】


患者50歳、事務仕事、パソコンを一日中使う。
3か月前より時々右手の小指側のしびれを感じる。
いつも肩こりを感じている、マッサージに良く行く、
今回しびれを感じたので病院で検査するが異常はなかった。
3か月ほど電気治療を行うが良くないので来院した。


◆、治療、
体全体少し太りぎみ、肩こりもひどく肩の筋肉はカチカチである。
手の筋肉はやせてはいない。少し表面は冷えた感じ。

脈はやや沈み、下の方で少し硬い感じ。
まず、手足のツボ、腎経、肺経のツボを補う。次に肝経を軽く瀉法する。
これで、脈が少し浮いてくる。

後は横になり右手を軽く補う、
その後、首から肩のコリが取れるように
はり治療と熱くないお灸の知熱灸で処置して終わる。


2回目、翌日来院。
しびれが少し楽になる、肩こりも楽である。
治療は同じ。


3回から5回目一日おきに来院、。
しびれもだいぶ楽にはなるが、
仕事が忙しいと少し出てくる感じである。

その後週に1、2回、2か月治療して良くなる。

今回の手のしびれの症状は首の骨の変形性の頸椎症では無く
慢性の肩こりより来る症状である。

あまりにも肩こりがひどいと、手の方へ症状が出てくるようである、
また、表面の肩こりが取れると症状は軽くはなるが
慢性のコリの元である中の方まで筋肉のコリが取れないと
症状は完全取れないようである。
完全に症状が取れるまで治療が必要である。



足のしびれの治療

【症例1】


患者45歳、建設業、一日中動き回る仕事
今までにぎっくり腰を数回繰り返す、
半年前より腰が痛かったが、いつものことだろうと治療もしなかった。
しかし、3か月前より足がしびれてきたので病院へ行き検査したが、
骨の変形は少しあるが、そんなに悪くないと言われていた、
そこで電気治療とお薬を飲んでいたが、
しびれが良くならないので来院した。


◆、治療、
体格は良いが、やや水太り気味、
腰、足とも表面は少し柔らかいが中は硬い。

脈は沈みぎみである。
まず、手足のツボ、腎経、肺経のツボを補う。
次に肝経を軽く瀉法する。
これで、脈が少し浮いてくる。

後は腰から足を軽くはりで補う、
また熱くないお灸を足に行う、
その後、肩コリを処置して終わる。


2回目、翌日来院。
しびれは変化ないが体は楽である。
治療は同じ。


3回から5回目一日おきに来院、。
しびれが少し感じなくなる時も出てきたが
仕事が忙しいと少し出てくる感じである。

その後週に1,2回を2か月治療して良くなる。


今回の足のしびれは骨の変形はないと言われていたが
何回も腰痛を起こしているので
レントゲンでは異常なないようであるが、
しびれが起こっているので、仕事の疲労により
骨の変形、腰の筋肉の凝り塊が起こり
しびれが起こっていると思われる。

手、足のしびれを起こす原因は
脊椎の骨の変形及び筋肉のコリから起こるのが原因である。
しびれにははり、灸治療は有効である。


3、腱鞘炎(手)

腱鞘炎は手首、手の指に起こりやすいです。
妊娠後赤ちゃんをを抱いて手首が腱鞘炎を起こす場合や、
パソコンのキーボードなど一日中たたく仕事の方は
指の腱鞘炎(ばね指)を起こしやすいです

腱鞘炎の原因としては、
手の使い過ぎ及び、それに伴う疲労や慢性的な肩こり、
更年期障害などが原因となりますが、
患者さん自身はそれほど肩こりを感じてない場合が多いようです。

しかし、肩を触ると、肩の表面よりも中の方がカチカチに凝って硬くなっています、
この慢性的な肩凝りにより、手の腱鞘炎という症状が出てくるようです。


それでは、腱鞘炎(手首)の治療

【症例1】


患者40歳、出産後9か月、
初めての出産で一人で子育てをしている。
子供を産んでから肩凝りがひどい、子供も10キロ近くなり
肩凝り、手のだるさがある。
最近は子供を抱く時手首が痛く、ぞうきんを絞る時も痛い。
病院で痛みどめの注射を行い、電気治療を時々行っていたが
痛みが取れないので来院した。


◆、治療、
体は少しやせぎみ、肩もひどく凝っている。
手首が少し腫れて、少し熱が有る。

脈はやや浮いている
足のツボ、腎経、肝経のツボを補う。
次に大腸経のツボを軽く瀉法する。これで、脈が良くなる。

次に、手首の炎症のある部分を、鍼と熱くないお灸で処置し、
その後、肩こりを治療して終わる。


2回目、一日おいて来院。
手首は痛いが、肩こりは少し楽である。
治療は同じ。


3回から5回目二日おきに来院、。
手首の腫れが少し良い、痛みも少し楽である。
治療は大腸経を処置しなかった。

その後週に1、回、1か月治療して良くなる。

腱鞘炎は患部の炎症が取れてくると良くなるが、
首から肩にかけての慢性的な肩凝りが取れないと
繰り返して炎症を起こりやすいので
肩凝りの治療が特に大事なようである。



4、むち打ち、打撲、捻挫、

むち打ちは交通事故などで首に損傷を起こして痛めることが多いです、
症状としては、頭痛、肩こり、腰痛。吐き気、手足のしびれ、めまいなどの症状を伴うようです。
衝撃の程度により、症状がすぐに出てくる場合と、時間が経ってから出てくる場合と
色々と患者さんの症状に違いがあります。

また、打撲、捻挫も事故で起こす場合や不注意で起こす場合もあります。

むち打ち、打撲、捻挫などは鍼灸治療は得意な分野です、
滞っている気血の流れを良くして、炎症が取れれば良くなります。
一日でも早めの治療が大切です

それでは、むち打ちの治療

【症例1】


患者50歳、営業の仕事
一日中車に乗ることが多く、肩こり、腰痛もある、
昨日、追突される、病院に行きレントゲンを撮るが異常は無かった。
今朝から、首の痛み、背中の痛み、手のしびれも少し感じるので
友達の紹介で来院した。


◆、治療、
体は少しやせぎみ、首、肩、背中にかけて筋張っている
腕は腫れてはいない。

脈はやや沈みぎみで陽気が少ない感じ。
足のツボ、腎経、肝経のツボを補うと少し脈が浮いてくる。
陽経さわらず、

次に、首はさわらず、肩、背中、上肢をを軽く補う。
これで治療を終わる。


2回目、翌日来院。
昨夜はぐっすり寝れた、気分は良い、肩背中のコリが少しある。
しびれはない、治療は同じ。


3回目、一日おいて来院、。
気分は良い、いつもの肩こりはあるが良い感じ。
治療は同じ、肩に知熱灸を軽くして終わる。


打撲、捻挫の治療は
患部の腫れた部分の熱を取るように鍼と知熱灸で処置すると
早く良くなる、
また、痛みが何か月も経過した患部も治療を行うと良くなる。


むち打ち、打撲、捻挫は早めの治療が大切である。
特に、症状が出てすぐには
温泉で温める、素人のマッサージなどは良くない。
病院でレントゲンに異常がなければ鍼灸治療が良いです。


住所、鹿児島市和田2丁目2番11-1

099-267-8686


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