呼吸器疾患
呼吸器の病気は急性の熱病、せき、のどの痛み、鼻炎、インフルエンザ、喘息、肺炎など
程度により色々と症状、病名が変わってきます。
伝統的鍼灸治療では、このような急性の熱病でも治療が出来るように成っています。
その代表的な古典の本が傷寒論(しょうかんろう)と言う。約2000年前に中国で書かれた本です。
この本は漢方薬の本でもあるが、病気の成り立ち、症状の経過、脈の形などは
鍼灸治療にも応用が出来ます。
この漢方薬の治療法の考え方と、鍼灸治療の考え方を、
ひとまとめにして、分かりやすく解説されたのが、現在では四国の池田政一先生です。
色々と鍼灸の本が出ていますので初心者の鍼灸の先生方は参考にして頂きたい。
今回、私が参考にする本は、先生の著書、伝統鍼灸治療法である。
さて、前置きが長くなりましたが、カゼの治療。
1、カゼの治療
現在は、せき、鼻水、さむけ、熱などが出たら、
まず、病院へ行くことが多いと思う、そこで出されるお薬が、解熱剤が多いと思う。
最近は漢方薬の葛根湯(かっこんとう)などを出す病院も多い、
しかし、患者の症状により、汗がもれる、び熱などの時には、
解熱剤、葛根湯などでは、症状が取れにくい感じである。
このようなカゼの症状にも一人一人の体質に合わせて治療を行う鍼灸治療は
大変有効な治療法である。
【症例 1】
患者3歳、朝より少し、せき、び熱36度8分、元気が無い、
朝、保育園に行かせる。
2時過ぎ、保育園に熱が出たので迎えに行く、38度
帰りに治療に来る。
◆、治療、汗が出ている事に注意する。
脈は、浮いて、やや大きいが力がない、やや速い。
まず、手足のツボ、肺経、脾経、大腸経、膀胱経と衛気で補う。
後は、円鍼で全体をさすり終わる、汗も少し少なくなる。
2回目、翌日夕方来院、
保育園に行く、一日過ごせた、熱も無い、汗も出て無い、
経過は良い、脈も浮いていたのが取れて、季節の脈に近づく。
1週間後の来院を付け加える。治療は一応これで終わりである、
細かなツボの名前などについては、
伝統鍼灸治療法の本をご覧ください。
鍼灸治療は脈を診て、症状をよく観察することにより、
治療が適切であれば早く症状が取れてきます。
一般の方には、少し分かりにくい言葉が多いと思いますが
症状が良くなるということが理解頂けましたら幸いです。
【症例 2】
患者1歳10か月、患者はおばあちゃん紹介で来る。
この患者は生まれてから良くカゼをひき、良く熱を出す、
そのたびに解熱剤で下げることが多かった。
ここ2か月、熱が出たり引っ込んだりしている。
昨日よりまた熱が出た、38度。
◆、治療、熱の出たり、引っ込んだりする寒熱往来に注意する。
脈は、浮いた感じもするが下のほうにも厚い感じがする、やや速い。
熱が出たり引っ込んだりの症状があるので、少陽経の熱を考える、
手足のツボ、脾経、心包経を補い。胆経を瀉法する事を考えたが、
最初なので、脾経、心包経を補い様子を見る。
後は、円鍼で全体をさすり終わる。
2回目、熱37度に下がる。
治療はやはり少陽経の熱を考え、胆経を用い瀉法する。
その後10日後に来る、熱は治療後下がった。
病院で血液検査を受けると肝機能が少し悪いと言われた。
治療は」同じように行う。
その後1週間に1回、3か月治療をして熱も上がらず、肝機能も良くなる
今も元気で時々来る。
鍼灸治療は、発熱を繰り返す時にも有効です